文化講演会
１０月２５日、文化講演会が行われた。本校の文化講演会は毎年秋に、各界でご活躍の著名人をお招きして、生徒の知的好奇心を喚起する目的で開催されている。
本年は、数学者で大道芸人でもあるピーター・フランクル氏をお招きし、『21世紀に羽ばたくための学習法』と題して約100分間ご講演をいただいた。ピーター氏はハンガリー生まれだが、母語のハンガリー語のほか、ドイツ語、ロシア語、スウェーデン語、フランス語、など12言語を大学で講義ができるレベルまで話すことができ、本日も流暢な日本語でユーモアを交えながら生徒に語りかけてくださった。
講演の最初にジャグリングを披露され、生徒たちはその素晴らしい技に魅了されていた。ピーター氏は日本で一番好きな街は福岡で、福岡には1984年以降、200回以上来ており、本校にも1996年6月に講演をして以来2度目の来校とのことであった。
次に、数学の問題を２題出題された（講演後の質疑の時間に生徒から解答があった）。
続いて本題に入り、「人生の最適化」について、その最大資源が時間であり、時間を有効に使うためには計画的に「人生の主人公である自分」の「時間割」をつくることが大切であると語られた。また、これからの時代に必要な能力は、「数学」と「コミュニケーション」であり、自分の頭で論理的に考えること、周囲の人と上手くコミュニケーションをとる能力が必要であると語られた。ピーター氏自身も、数学者の広中平祐教授やグロタンディーク教授（両名とも「数学のノーベル賞」よばれるフィールズ賞の受賞者）との出会いから「他人との出会いを大切にし、勇気を持って話しかける」ことの大切さに気付いたそうである。
最後に、日本の諺である「袖振り合うも他生の縁」を引き合いにされ、「出会うべくして出会った、人との出会いを大切にしてほしい」とのメッセージで講演を締めくくられた。
[ピーター・フランクル氏 略歴]
1953年 ハンガリー生まれ。
1971年 国際数学オリンピック金メダル受賞。
オトボス大学数学科入学。
1977年 博士号取得。
1978年 サーカス芸人国家資格合格。
1979年 フランスに亡命。
1988年～ 日本在住。
1992年～ 算数オリンピック専務理事、国際数学オリンピック・日本チームコーチ、
東京大学非常勤講師、フランス国立科学研究センター教授。日本ジャグリング
協会名誉理事。