演題 「21世紀の『コペルさん』たちへ」―AI時代 君たちはどう生きるか?― 講師 岡本裕一朗氏 (玉川大学名誉教授)
令和7年10月29日(水) 午後より、講師に玉川大学名誉教授の岡本裕一朗氏をお迎えして、文化講演会が実施されました。
岡本先生は、AI時代を生きる現代の高校生に求められる「あるべき姿」をテーマに、生徒の心をつかみながら明快にお話しいただきました。
特に印象的だったのは、現代を形作る二つのテクノロジー革命の提示です。
20世紀末のバイオテクノロジー革命は、人類が自らの遺伝子を変えうる力をもたらし、ホモ・サピエンスの支配が終わる可能性を示しました。さらに2010年以降のAI革命は、人間を超える知性を持つ機械が登場し、私たちが「万物の霊長」でなくなる未来を予感させます。
吉野源三郎作『君たちはどう生きるか』のコペル君に象徴される「脱・自己中心主義」に対し、現代の高校生は「脱・人間中心主義」に直面しています。先生は、近未来の四つのシナリオを通じて、生徒たちにAIとの共生の問いを投げかけられました。
生徒たちは、先生のお話を当事者として受け止め、真剣に考え、積極的に質問を重ねました。その姿勢は座談会でも続き、先生のご講演は生徒の知的好奇心を刺激し、議論の起点となりました。
私たちに多大な刺激と学びを与えていただいた岡本先生に、心から感謝いたします。



[岡本 裕一朗氏 経歴]
玉川大学 名誉教授。1954年福岡県生まれ。九州大学大学院文学研究科哲学・倫理学専攻修了。博士(文学)。九州大学助手、玉川大学文学部教授を経て、2019年より現職。西洋の近現代哲学を専門とするが興味関心は幅広く、哲学とテクノロジーの領域横断的な研究をしている。著書『いま世界の哲学者が考えていること』(ダイヤモンド社)は、21世紀に至る現代の哲学者の思考をまとめあげベストセラーとなった。ほかの著書に『フランス現代思想史』(中公新書)、『12歳からの現代思想』(ちくま新書)、『モノ・サピエンス』(光文社新書)、『ヘーゲルと現代思想の臨界』(ナカニシヤ出版)など多数。