大運動会

修猷大運動会は修猷特有の文化だ。

毎年三年生たちがそれぞれの修猷生活の集大成としてこの大運動会に臨み、下級生の度肝を抜く。こうしてこの修猷大運動会の熱さは受け継がれていく。この継承という一面がこの行事を修猷“大”運動会たらしめているのだ。

第78回のスローガンは「気魄」。修猷生の気合や気概を表す言葉だ。間違いなくこの修猷大運動会は、些事から大事に至るまで修猷生の気魄から成っている。そして、その気魄同士の衝突から生まれる悔しさや達成感には、経験した者にしか分からない重みがある。

私は運営委員長としてこの第78回修猷大運動会の意味づけをすることを許された。しかし、この行事は元来、懐の深い寛容な行事である。一人一人に気魄を示す場があり、目的があり、価値があり、それが意味になる。当然この第78回を意味づけるのは、気魄を示した者次第だ。

伝統を受け継ぐことは難しい。気を抜いてしまうと、伝統と呼ばれていたものは自然と社会に歓迎される抜け殻になってしまう。今、この修猷大運動会は過去、現在、未来の修猷生を繋ぐ、熱さを持つ一貫した太い幹であるように思える。刻々と強くなる時代の逆流に抗いながら、その価値を信じて泥臭くひたむきに努力する経験こそがこの行事の醍醐味なのだ。

強くあれ修猷生。

第78回修猷大運動会運営委員長　下釜　大地