4月8日、桜花爛漫の好天の日のなか、本校に440名の新入生が入学した。
新入生諸君、入学おめでとう。
大きな夢を一つ叶えた努力を讃えるとともに、新たな学び舎でのさらなる飛躍に期待したい。
式次第
1 開式の辞
2 国歌斉唱
3 入学許可
4 館長式辞
5 孔子像紹介
6 祝 辞
PTA会長
同窓会会長
7 学年団紹介
8 学年主任挨拶
9 館歌紹介
10 閉式の辞
令和7年度入学式 館長式辞(骨子)
正門横の桜も、校舎まで続くアプローチに咲き並ぶ花壇の花々も、君たちの入学を歓迎し、今、咲き誇っています。美しく凜と咲くその花々に、私たちは、「自らの力を最大限発揮することの尊さや喜び」を感じ取ることができます。ならば、君たちは、ここ修猷館で自らの持つ力、可能性をどれだけ磨き、どれだけ発揮させることができるでしょうか。
本校は、天明4年(1784年)、黒田藩の藩校として開校し、今年、創立241年目の歴史を歩み出しました。現在に至るまで、「自由・自律」の精神に溢れた館風のもと、数多の有為な人材を世に送り出しています。本校のスクールポリシーは「世のため人のために力を尽くし、未来を創り出す、真のグローバルリーダーの育成」です。「未来を創り出す」という表現が示すように、未来は「ただ漫然と待ち受ける」という受け身の態度で臨むものではありません。君たちに求められるのは、書物や映像、そして何より、自らの直接的な体験を通じて社会を見渡し、日本や世界の現状をつかみ、「今、何が課題になっているのか」「どうしたらその課題の解決に繋がるのか」、そうした問題意識、課題意識を持ち、それを他者と共有しながら、「よりよい未来の姿・あるべき未来の姿」に向かって進んでいくことにあります。
夏目漱石の小説「三四郎」で、上京の途上、三四郎はこんな意味の言葉を投げ掛けられます。「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。しかし、日本より・・・頭の中の方が広い」。よりよい未来は君たちの頭の中にあります。小さな視野に止まらず、絶えず、自分の殻を破り続け、「地球規模の幅広い視野」と「未来を創るための知性」、そして「たくましくもしなやかな人間力」を持ってほしい。そして、生涯を掛けて挑むに値する夢や志をここ修猷館で見付け、その実現に邁進してくれることを期待しています。
高校生活は、「選択」と「努力の結果」の連続です。何かに真剣に取り組み、挑戦する人にとって、修猷館ほど魅力的な場所はありません。自分を成長させ、人間力を高めるために、「挑戦する環境・チャンス」が沢山あり、君たちの挑戦を温かく応援する仲間や先輩、先生が沢山います。修猷館の館風「自由・自律の精神」は、君たちが挑戦と失敗、トライ&エラーを繰り返し、人として大きく成長するための機会と時間を保障するためのものです。この学校には「失敗」はありません。あるのは、「うまくいかなかった時に何度でも挑戦できる自由」です。自信を持って、修猷館を全力で味わい、青春を謳歌してください。
かけがえのない高校生活の中で、一生の友、先輩、恩師と出会い、美しく咲き誇るこの花々のように、自らの可能性を大きく花開かせてくれることを願って式辞とします。
令和7年4月8日 福岡県立修猷館高等学校 館長 野本準二



