5月24日(金) 創立240周年記念式典および記念講演が行われた。
この創立記念行事は、天明4年(1784年)の創立から240年、長きにわたって受け継がれてきた本校の歴史を再確認し、未来へとつなぐ意義深い行事である。
本年度は式典に先立ち、創立240周年の節目の年であることを記念し、来賓の黒田家第17代 黒田 裕大様・絢子様 御夫妻、津田 純嗣 同窓会会長、その他関係各位のご臨席を賜り、本校生徒会役員も参加し、植樹式が行われた。
創立記念式典では、中神智文館長が、240年という長きにわたり「修猷館」という校名が続いてきたことは、黒田家のご支援をはじめ、多くの先人、同窓生、教職員の尽力のたまものであること、これから10年後250周年、60年後の300周年を迎えるにあたり、生徒諸君がどのように未来を切り開くか楽しみであると式辞を述べた。さらに、来賓の方々よりご祝辞をいただいた。
記念講演では、本校昭和43年卒で、現在九州大学総長でいらっしゃる石橋達郎氏に「学問の勧め」と題して講演をいただいた。石橋氏は、まず、眼科医であった父親の影響を受け、医師を目指すようになったこと、修猷館での思い出、九州大学での学生生活をユーモアを交えて述べられた。
次に、九州大学医学部での眼科学の研究、眼という臓器のしくみや重要性、研究テーマである糖尿病網膜症・加齢黄斑変性ついて、そして恩師である田中健蔵教授や、留学先の南カリフォルニア大学で指導を受けたProf. Stephen J. Ryanとの出会いについて語られた。 さらに、指定国立大学法人である九州大学の総長として「総合知で社会変革を牽引する大学」や「価値創造人材の育成」を目指していること、そして、九州大学の概要や様々な優れた施設・設備の説明、高大連携の事業として「九州大学未来創成科学者育成プロジェクト(QFC-SP)」、女子高校生を対象とした理工系研究インターンシップ制度「QURIESプログラム」の紹介をされた。
また、「大学は長い歴史と伝統の中で築かれ培われ知識の塊であり、その集積された「知」から学び、それを次の世代に伝え、新しい知見を生み出すことが大学の使命であり、大学で学ぶとは、自ら選択した学問を深め、体系的な知識にし、それを基に自分の考えを導き出し、発展させ、形にすることである。」と述べられた。
最後に、「修猷館の日々の中で、自らが志したい学問、自らを社会で役立てるための基礎となる学問を探し出してください。」と語られ、ウォルト・ディズニーの「夢を抱くことが実現の第一歩である。(If you can dream it, you can do it)」のメッセージで講演を締めくくられた。
[石橋達郎氏 経歴]
昭和43年 修猷館高校卒業 昭和50年 九州大学医学部卒業 以降、九州大学大学院医学研究院眼科学分野教授、九州大学病院長、九州大学理事、同副学長、先端医療オープンイノベーションセンター長などを経て、令和2年10月より九州大学総長。