11月2日(土)に「総合的な探究の時間」の取り組みのひとつである出前授業が実施された。平成14年度に始まり、今年で23年目となる取り組みである。この間、コロナ禍による不実施、規模の縮小などもあったが、現在は本来の形での実施に戻っており、生徒のそれぞれが自身の関心の範囲を広げ、深めることを通じて、自らと社会や学問との関わりについて考える機会となっている。
今回は、台風21号による暴風と大雨が心配され、前日夜まで実施が危ぶまれたが、幸い、11/1(金)夜には温帯低気圧になったこと、多くの講師から「少々の雨なら大丈夫!」と心強い励ましをいただいたこと、やや強い雨が残ったにもかかわらず大部分の生徒が無事に登校したことなどがあいまって、予定通りの実施となった。
講師は本校の卒業生に限らず、様々な分野から集まってくださっている。23年連続の講師を筆頭に、継続的に関わってくださる方が多いことが本校の出前授業の特徴であるが、今年度は、あらたに6名の素晴らしい講師をお迎えすることができた。その中には、高校在学中にこの出前授業を聴講した卒業生が2名。この取り組みを始めたときにスタッフで話していた「卒業生が講師になって戻ってくるまで続けたいね」が現実のものとなりつつあることが感じられた。
講義の内容や形式は、充実した講義、実演、実習、グループ討議など、実に多彩である。各生徒は、自分の希望する講座を2コマ受講することになっており、参加希望の講座を選択する際に、講座一覧に目を通すだけでも、社会や学問の広がりや深まりを垣間見ることができる。さらに、当日の授業に参加することで、授業内容だけでなく、個性あふれる講師の先生方の佇まいからも多くを学び、自らの在り方や生き方を考えることになる。
この日、多くの教室で、講師の話に熱心に耳を傾ける生徒の様子、熱心に話し合う様子、そして、さらに多くを学び取ろうと講師に次々に質問する様子などが見られ、それは、生徒が講義後に書くレポートの文面からも読み取ることができた(講師にも送付)。
生徒にとって、文化の秋に相応しい、意義深い経験となったものと思われる。
出前授業
記事公開日:2024年11月2日