5月26日(金) 創立記念行事が行われた。 この創立記念行事は、天明4年(1784年)の創立から238年、長きにわたって受け継がれてきた本校の歴史を再確認し、未来へと繋ぐ意義深い行事である。
創立記念式典で、岡本圭吾館長は、創立以来の本校の歴史を振り返りながら、『世のため、人のため』の精神のもと、「不羈独立」「質朴剛健」「自由闊達」に象徴される校風、「践脩厥猷」にはじまる「修猷の学び」など、多様性に富んだ『修猷文化』を継承し、修猷の歴史・伝統・文化について修猷生同士で語り合うことによって、今後も新たな『修猷文化』を創造し続けてほしいと語った。
記念講演では、ソニー株式会社執行役員常務で本校昭和56年卒の河野弘氏にお越しいただき、「メッセージ-修猷館を卒業して40年、後輩の皆さんに伝えたいこと-」と題してご講演をいただいた。
講演では、後輩たちへのメッセージとして「原動力―モチベーションの力―」、「行動力」、「価値観の力」の『3つの力に支えられて』をテーマにご自身の経歴や経験談について、会社のスタッフの方が描かれたという漫画を用いて振り返られた。
「原動力―モチベーションの力―」では、周囲から無理だと言われるような状況でも、それに負けない位のパッションをもち、いかに自分を信じられるかどうかで何かを成し遂げられることができる、ということを大学進学のエピソードに絡めてお話いただいた。また、PDCAサイクルを行う時にはPlanの段階では悩んでいいが、Doの段階では悩まずに突き進むことが大事だということを覚えておいてほしいとのことだった。
「行動力」では、「やってみる、試してみる」という一歩踏み出す力が大事であることと、そのためには目標やモチベーションの置き方が重要なポイントであることをお話しいただいた。ソニー株式会社へ入社し、27歳の頃、東欧の新規ビジネスを任せられた時には思い通りにいかないことも多々あり、自分を追い詰めることもあったが、「すべて順調にいくことなどあり得ないだろう」と考えるようにし、上手くいかない時は自分で自分を励ましたり褒めたりすることによって自然と物事が上手くまわっていくようになったという経験を語られた。
「価値観の力」では、価値観とは、そこにいる人達が創り上げているものであり、今、修猷生が日々の生活の中で、いろいろな話をしたり、議論をしたりする中で形成されているものだから、修猷の先輩、後輩や友人との繋がりを大切にしてほしいと語った。 最後に、河野氏は後輩たちに向けて「今を大事に生きる、それが未来につながる」と熱いメッセージで講演を締めくくられた。
[河野 弘(かわの ひろし)氏 経歴]
昭和56年 修猷館高校卒業 慶應義塾大学入学
昭和60年 大学卒業後、ソニー株式会社入社
以降、ソニーアメリカ副社長、ソニーマーケティング(株)代表取締役社長等を歴任




