修猷資料館

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 令和6年度資料館公開日 (PDF:70.0キロバイト)

 修猷館高校の南門を入ると左手にある小さな森。その木立の中に美術館のような佇まいの修猷資料館がある。そこには修猷館の歴史を物語る数多くの資料が展示されている。
 資料館の建物は昭和51年(1976年)、当時の江浦重成同窓会長により寄贈されたもので、前庭などに廃止された西鉄路面電車の敷石を配し、赤茶色の煉瓦の色合いと相まって深みと落ち着きを感じさせるものであった。その後40年の時を経て、修猷館創立230周年事業の一環として財団法人修猷協会の支援により増改築がなされ、平成28年3月12日にリニューアル記念式典が行われて開館に至った。新しい資料館は、以前の資料館の趣のある外観を保ちつつ展示スペースが2倍の広さとなり、空調設備など収蔵品の保全環境も改善されたものとなった。このため、資料館が所蔵する多数の資料がより充実した形で展示されるとともに、一般公開の日が設定され、現在では学校外の方も見学できるようになっている(脚注)。展示室は2つあり、第1展示室にはいずれも本校で学んだ金子堅太郎、広田弘毅、緒方竹虎、中野正剛、田中耕太郎などの書・印、児島善三郎、中村研一、吉田博、和田三造、足立襄などの絵画、書状等が展示されており、美術館のような雰囲気を漂わせている。第1展示室を囲むように回廊状に設置された第2展示室では、藩校時代から現在までの修猷館の歴史を辿ることができる。天明4年(1784年)の東学問稽古所修猷館開館の儀式で飾られた孔子像、明治18年に英語専修修猷館として再興される前後の諸史料、明治・大正期の生徒手帳や県立中学修猷館から戦後の県立修猷館高等学校までの学帽の変遷など学校生活を偲ばせる品々、昭和39年(1964年)第18回オリンピック東京大会で国立競技場に翻った五輪旗など各時代の多様な物品が展示されている。一つひとつの資料には、それぞれの時代背景の中での修猷館教育と、そこで学び育った「修猷山脈」といわれる数多の卒業生の姿が多くのエピソードを伴って凝縮されており、230年にわたる歩みを年表や写真と併せて知ることができる。
 修猷資料館の役割は往時の記録・記念にとどまるものではなく、世のため人のために尽くした卒業生の生き方を育んだ修猷館の歴史を伝承し、これからの社会を担う生徒たちがその伝統を継承発展させつつ、猷(みち)を修め未来を築くための礎となることにある。